東京都の小池百合子知事は19日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が東京パラリンピックで、児童や生徒に観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」を行うことに慎重な姿勢を見せていることについて、都庁で報道陣の取材に応じた。小池氏は「尾身会長からは、オリンピックの際も、同様のご指摘もいただいていたかと思いますが、安全、安心な大会としてやり切った」と述べ、尾身氏の指摘は当たらないとの考えを示した。
 東京ではこの日も新たに過去2番目となる5534人の新型コロナウイルスの感染者が確認され、感染の高止まりが続いている。尾身氏は19日の参院内閣委員会閉会中審査で、東京パラリンピックでの「学校連携観戦プログラム」の実施について「(五輪開催時と比べ)今の感染状況はかなり悪い。そういう中で考えていただければ、当然の結論になると思う」と述べ、慎重な考えを示した。
 これに対し、小池氏は「尾身会長からはオリンピックの際も同様のご指摘もいただいていた」とした上で、東京五輪は「安全、安心な大会としてやりきった。これを経験としてパラリンピックに臨んでいきたい。その中で、希望されるお子さんが実際にパラリンピアンの努力、その姿を見ることは、教育的な価値は高いと考えている」と強調した。
 
 さらに「東京の聖火リレーについても、明日から始まる。これからも、皆さんにパラリンピックでいろいろ感じていただければ。安全、安心に開く大会にご協力をいただきたいと思います」と話した。

東京新聞
2021年8月19日 19時22分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/125490