東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長が、五輪の競技開始となる女子ソフトボールの開幕戦を福島市の球場で観覧していたことが分かった。組織委の橋本聖子会長が22日の会見で明らかにした。橋本氏は「視察ということ。地元へのお礼を込めて」と説明した。
 試合は開会式に先立ち、福島県営あづま球場でソフトボール日本―オーストラリア戦があった。球場は無観客で、地元の人なども見ることはできなかった。
 会見で、記者から「複数の人が森氏の姿を目撃した。どのような理由で、どのような役職でカードが発行されて観覧できるのか」と質問が出た。
 橋本氏は、観戦していた事実を認め、「前会長の時に福島あづま球場でのソフトボールを決定したということがあり、知事、地元市長にお世話になったという事のお礼を込めて、うかがった」と述べた。森氏の役職やカードについては言及しなかった。
 森氏は2月、日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言し、批判が殺到した。その後、発言を撤回したが、組織委会長を辞任し、後任に橋本氏が就いた。

東京新聞
2021年7月22日 16時29分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/118505