菅義偉首相は10日、参院予算委員会の集中審議で、立憲民主党の蓮舫代表代行から東京五輪・パラリンピックについて問われたが、同じ文言を読み上げるばかりで、まともに答えなかった。

 蓮舫氏は新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、「東京オリパラ大会、本当にやるんですか」と質問した。
 首相は手元の紙に視線を落とし、「東京大会については、IOCは開催をすでに決定し、各国に確認していますが、開催にあたっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じた上で、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催にあたっての政府の基本的な考え方だ」と紙を読み上げた。
 さらに、蓮舫氏は「主催国の内閣総理大臣が延期や中止をいえる権限はないのか」と聞くと、同じ言葉を答えた。
 続いて、蓮舫氏は、安倍晋三前首相が東京大会の1年延期をIOCのバッハ会長に提案し、決まったことを例にあげ、菅首相もバッハ会長に延期や中止の相談をできないかと質問した。
 しかし、首相は「開催にあたっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じた上で、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていくのが、これが開催にあたっての政府の基本的な考え方だ」と繰り返した。
 蓮舫氏が「国民の命を守る最高責任者として、大会をやらないという判断は下さないのか」とただすと、「先程来申し上げている通り」と答弁し、はぐらかした。

東京新聞
2021年5月10日 16時37分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/103282