https://news.yahoo.co.jp/articles/631fda75d20ba4e3a0637c14d680f4839dc89321
人気番組で明らかになった実態

ワクチン接種中の大統領

 文在寅大統領が主導して行われてきた「反日不買」「NO Japan」は、韓国の日本に対する外交的な報復の産物だったが、旗振り役であるはずの政権幹部の中には日本製品などを所有・購入する面々が現れたことで、徐々に、国民の洗脳も解かれてきた部分はあるようだ。しかし、コロナ禍もあって、反日不買による国民生活へのダメージは大きく、その代償・後遺症に悩まされる人々は少なくない。

 韓国の放送局SBSの「コルモク食堂(路地裏食堂)」は、路地裏にある閑古鳥が鳴いている食堂を料理人で実業家でもあるペク・ジョンウォン氏が訪ねて喝を入れアドバイスする番組で、昔の人気番組「愛の貧乏脱出大作戦」(テレビ東京)を彷彿とさせる内容である。

 そこに出演したダッカルビ店の主人は、NO Japan運動の被害者の一人だった。

 主人はもともとアパレル業界で30年余り勤務してきた人物。しかし突然起こった反日不買運動が加速・激化し、日本との取引を主としていた会社の状況はどんどん悪くなり、とうとう肩たたきに遭ったという。

 退職金に加え、開業の為の融資を受けてどうにかダッカルビ店を開いたが、新型コロナウイルスで緊急事態宣言が発令され、営業時間の制限なども加わって収支は火の車。

 家賃も払えないほど状況が悪化し、誰もいない店に一人座って客を待つも開店休業状態。閉業したところで展望はなく、何とか耐えるかしない状況だと涙する姿が放映された。
吉か凶か、反日不買の結末

 テレビだから作り込まれた部分はあるにせよ、人気番組で放映されるほどだから、同様の日常が韓国内で繰り返されていることは想像に難くない。

 もちろん店が繁盛しない要因は一つではないし、主人自身の責任もあるだろう。

 しかし、そもそも彼が会社を辞めなければならなくなった背景も忘れてはならない。

 そんな感想を抱く韓国人も少なからずいたようだ。

 番組終了後、掲示板に集ったネットユーザーたちのコメントで目立ったものは、

「これを見ても反日不買を言えるのか?」

「ユニクロ撤退を喜んでるけど、ブーメランが返ってきてるのでは?」

「反日不買なんて、結局韓国にとって不利なだけ」

「反日狂の妄想で国内の自営業者達が被害を受ける」

 という内容だった。

 番組の感想に限らず、ここ最近、ウェブ掲示板には、

「みんな何だかんだ言って不買してないでしょ?」

「政治的、歴史的背景が分かれば不買運動なんてしない」

「ノーノーと言うが反日は理屈に合わない」

 といった意見がよく見られるようになってきた。

 声高に社会に向けて「反日反対」を叫べるかどうかは別として、反日不買による自国への悪影響が目に見えるようになってきて、それに異議申し立てを行いたい層が増えてきたというのが現状だろう。

 文在寅大統領が音頭を取って、「反日運動」によって溜飲を下げたり優越感に浸ったりすることはできたかもしれないが、「反日運動をしたこと」で失ったものは少なくないと捉えている人たちが増えたのは間違いない。

 同じような兆候は世論調査にも現れている。

 昨年12月から今年1月のあいだに新聞通信調査委員会が行った調査で、「日本に行きたいと思うか」という質問に、韓国人の51.0%が「行きたい」と答えた。

 韓国人の日本に対する好感度は依然として低いものの、日本への好感度に関する世論調査参加者の割合は直前の調査に比べ8.6ポイント上昇したことを受け、時事通信は「安倍晋三前首相の退任で日韓関係の改善への期待が高まっている」と分析する記事を配信していた。
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(略)