愛知県の大村秀章知事は15日、名古屋市長選(4月11日告示、25日投開票)で自民党市議団が同党の横井利明市議(59)の擁立へ最終調整していることについて、「仮に表明があれば、全力で応援したい」と述べた。河村たかし市長(72)はまだ態度を明らかにしていないが、河村氏が立候補すれば対立候補を支援する考えを明確にしたものだ。

 同日の記者会見で、大村氏は「横井氏や市議団からさまざまな話を聞いているが、まだ正式な表明をされていない」とも語った。市長選で大村氏は、2013年は河村氏を支援したが、17年は支援しなかった。

 偽造事件に発展した自身へのリコール署名問題で大村氏は、署名活動を支援した河村氏との対立を深めている。最近は国会議員時代の議員年金受給をめぐり、制度廃止を訴えながら議員年金を受給する河村氏を「政治家の資格はない」などと批判している。

 大村氏は、改めて「公約と全く逆のことをしていた責任は問われるべきだ」と指摘。河村氏が大村氏に見解をたずねる公開質問状を出しているが、大村氏は「特に相手にすることはない」と突っぱねた。(中野龍三)

朝日新聞
2021年3月15日 18時08分
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