自民党が次の衆院選に元グラビアアイドルの森下千里氏(39)を擁立するという。すでに宮城県第5選挙区の支部長に内定していて、14日にも出馬会見を開く予定で調整中と報じられた。

 擁立は宮城県連主導だが、党内では「第2の杉田水脈になるんじゃないか」と評する声もあるという。

どういうことか。参考に森下氏のツイッターを見ると、政治的な発信はほとんどなかったが、今年2月に突然、<トランプ前大統領が人権問題に力を入れていたのは周知の事実>とツイート。

 最近になって、政治家では杉田水脈衆院議員や足立康史衆院議員、和田政宗参院議員らをフォローしているのも分かる。ジャーナリストの桜井よしこ氏や有本香氏、ケント・ギルバート氏の名前もあった。安倍前首相を熱心に支えてきた顔ぶれだ。

「宮城県連の顧問を務める和田政宗議員が森下氏の後見役なのです。その関係で、和田議員や杉田議員に近い考え方に共感しているのかもしれません」(自民党関係者)

第2の杉田水脈を目指すのか

 これまで、「LGBTは生産性がない」「男女平等は反道徳の妄想」などの発言で何度も物議を醸してきたのが杉田氏だ。8日の「国際女性デー」に発表された「政治家のジェンダー差別発言」では、国際的な問題になった森喜朗東京オリ・パラ組織委前会長の女性差別発言を抑え、堂々のワースト1位に輝いた。

 昨年9月、党の非公開会議で性暴力被害者への支援をめぐり、杉田氏は「女性はいくらでもウソをつける」と発言。これが報じられると、被害女性に対する深刻な差別で、セカンドレイプだと非難が相次いだ。

 元TBS記者からの性暴力被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織氏についても、杉田氏は英BBCの番組で「女として落ち度がある」と発言。伊藤氏から訴えられている。

 ちなみに、準強姦容疑で書類送検された元TBS記者が不起訴になった件について、検察審査会が「不起訴相当」と議決した際には、和田氏と足立氏が当の元記者と一緒にネット番組に出演して祝杯を挙げていたものだ。

 そういうメンメンに共感しているのなら、森下氏は「第2の杉田」になり得る素質を見込まれたということか。

日刊ゲンダイ
2021/03/12 06:00
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