NTT側が総務官僚を接待していた問題をめぐり、文春オンラインは10日、NTT側が当時総務相だった自民党の野田聖子幹事長代行、高市早苗衆院議員のほか、当時総務副大臣だった坂井学官房副長官、寺田稔衆院議員の4人を延べ6回接待していたと報じた。

 同オンラインによると、4人がいずれも総務相や総務副大臣だった2017年11月〜20年9月にかけてNTTの澤田純社長らが接待していたという。野田、高市両氏については2回接待が行われたとしている。

 「大臣規範」では、大臣や副大臣、政務官を対象に、関係業者から接待や贈り物を受けることなどを「国民の疑惑を招くような行為」として禁じている。

 報道を受け、高市氏は自身のホームページでNTT側との会食は認めたうえで「私は、『接待』は受けていない旨、取材者に対して、明確に文書で回答しました。当方の支払の領収証や当該店舗の料理代金が分かる資料も添付して送付しました」と反論。「先方から、総務省の認可権に係る頼み事の話題が出たことは皆無」ともつづった。野田氏は、日程の都合で取材に応じられないとした。

 また、坂井氏は朝日新聞の取材に対し、NTT側との会食を認め、「篠原(弘道・NTT)会長から、知人を紹介するとお誘いを受けた」と説明。飲食代は「向こう持ちだった。金額は聞いていない」とし、総務省の業務に関する要請や要望は「全くなかった」と述べた。寺田氏の事務所も会食を認めたうえで、「招かれたので支払いはお任せした。働きかけはお願いされていない」とした。

 これに対し、立憲民主党の渡辺周幹事長代行は10日の記者会見で、「事実関係について国会で追及していきたい。名指しされている元大臣や前大臣らについては、公の場で何らかの形でお答えいただけるよう働きかけたい」と語った。

朝日新聞
2021年3月10日 18時45分
https://www.asahi.com/articles/ASP3B64G4P3BULFA011.html