https://news.yahoo.co.jp/articles/3e39977b0de9e776f7a35a70db1cebc81f401476
 米国のバイデン政権発足直後から米国と同盟国による多国間外交が激しく展開しているが、ここに韓国の姿は見られない。米国のブリンケン国務長官は18日(現地時間)、米国、日本、オーストラリア、インドの4カ国連合体「クアッド」外相による遠隔会議、さらに米国とE3(英国、フランス、ドイツ)外相の遠隔会議を相次いで開催し、中国牽制(けんせい)の方策について意見を交換した。バイデン大統領は19日に同じく遠隔で開催されたG7(主要7カ国)首脳会議で多国間外交の舞台にデビューを果たした。

■米国に対する好感度が高い国1位は韓国、日本は?

 米国は主要な同盟国、あるいはパートナーとの会議を2日間に集中して行うことで「新たな枠組み」の形成に乗り出しているが、韓国はいずれの会議にも参加できなかった。前任のトランプ前政権当時、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相(当時)が「良いアイディアではない」と述べるなど、韓国政府が軽視したクアッドはバイデン政権においてもインド・太平洋政策の中心となっている。韓国がクアッドに参加しない以上、今後もこのような疎外状態が続く可能性が高い。

 米国のブリンケン国務長官は18日、オーストラリアのペイン外相、インドのジャイシャンカル外相、日本の茂木敏充外相らと遠隔によるクアッド外相会議を開催した。1時間30分にわたり行われたこの会議において、4カ国の外相は東シナ海情勢と南シナ海情勢について「(中国による)力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対することで(意見が)一致した」という。日本の外務省が明らかにした。

 米国務省も「4カ国外相はクアッド外相会議を最低でも年1回開催し、高官や実務担当者の会議も定例化することを強調した」と伝えた。会議を定例化する目的は「航海の自由や領土保全の支援を含め、自由で開かれたインド・太平洋地域の発展に向けた協力関係の強化」にある。南シナ海のほとんどの地域で領有権を主張している中国を念頭に、中国牽制にむけたクアッドによる協力関係は一時的なものではない点を明確にした形だ。

 今回の会議でクアッド首脳会議の日程は決められなかったが、首脳同士の協力の重要性については一致したという。日本の茂木外相が伝えた。日本の朝日新聞は19日付で「今回のクアッド外相会議において、はじめて(クアッド)首脳会議を開催する方針で(意見が)一致した」と報じた。

 クアッド4カ国は2019年9月の国連総会の際、ニューヨークではじめて外相会議を開催し、昨年10月にはコロナの感染が拡大する中にもかかわらず日本の東京に集まり、対面での外相会議を開催した。昨年以降クアッド4カ国すべてが参加する合同の軍事演習なども行われている。そのため今後クアッド首脳会議まで開催された場合、欧州のNATO(北大西洋条約機構)のようなインド・太平洋における安全保障機構にまで発展する可能性も高まってきそうだ。

 クアッド4カ国の間で議論された内容も非常に広範囲に及ぶ。米国務省の発表によると、4カ国外相は「コロナへの対応、(景気)回復、気候変動などに対する4カ国間のクアッド協力」を模索したという。また中国やロシアのような国々が中心となって広めているフェイク情報への対応、対テロ、海洋安全保障、ミャンマーの民主政府復元、民主主義強化なども議論された。日本の外務省は「北朝鮮問題を筆頭とした地域情勢についても意見を交換した」と発表した。いずれも韓国の安全保障や国益に直結する問題だが、韓国が抜けた状態でこの地域における議論が形成されつつある形だ。


(略)