「入管制度から切り離した難民保護」の新法案、野党が共同提案 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210218/k00/00m/010/283000c

2021/2/18 21:41(最終更新 2/18 23:02)

極端に低い日本の難民申請認定率や申請者の長期収容などが問題となる中、野党6党・会派は18日、難民に関する新法案を提出した。「国際基準に沿い、保護されるべき人が保護される制度の抜本改革を目指す」(立憲民主党の石橋通宏参院議員)のが法案の狙い。一方で、政府は19日にも入管法改正案を閣議決定する見込みで、これに対抗する意図もある。【和田浩明/統合デジタル取材センター】

「守るべき人々を守る法制度を」
新法案は「難民等の保護に関する法律案」(難民保護法案)と出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案。難民保護法案などは、立憲民主党、共産党、国民民主党、沖縄の風、れいわ新選組、社民党が共同で提案した。各党・会派の議員が参院議員会館で記者会見した。

法案のポイントは、@保護対象を拡大し、難民条約上の難民などだけでなく、迫害を受ける恐れがある外国人や戦争避難民、無国籍者などを含めるA難民認定の主体を、現在の法相から、独立行政委員会である新設の「難民等保護委員会」(保護委)に変更するB難民認定手続きで、認定基準を保護委が策定・公表するC難民や難民認定申請者に生活支援を行う--の4点。

また、入管法改正案では、強制退去に該当すると疑われる外国人を全件収容する現在の方針を撤廃。収容は退去の明確な理由があって、逃亡の恐れがある時に限り、裁判官の判断で行うものとしている。

強制退去などを命じられた外国人の収容についても裁判官の判断により、期間も最長で半年とする、などとしている。

石橋議員は「日本は戦後、外国人は管理の対象で、難民は受け入れないとする政策を続けてきた。出入国管理制度から難民保護を切り離し、先進国の名誉ある一員として救うべき命を救いたい」と法案提出理由を説明した。