元秘書への暴行事件で自民党を離党した石崎徹衆院議員(37)=比例代表北陸信越ブロック=を巡り、元秘書の新潟市の30代男性が石崎氏に損害賠償と未払い賃金の支払いなど計1008万円を求めた訴訟の第1回口頭弁論が2日、新潟地裁(篠原礼裁判長)であった。石崎氏側は出席しなかったが、棄却を求めて争う方針。

 石崎氏は、男性に対する2件の暴行罪で略式起訴され、新潟簡裁で罰金20万円の略式命令を受けた。しかしこの日、意見陳述した男性は「ささいな理由で日常的に殴られ続けた。石崎氏の暴力は人が死んでもおかしくない」と訴えた。「本人からの直接の謝罪はなく、本当に反省しているのか甚だ疑問でならない」と話した。

 裁判後、記者団の取材に応じた男性は「和解は考えていない。街頭演説には立つのになぜ自分の裁判には来ないのか。本当のことを法廷で話してほしい」と話した。

 石崎氏側は代理人も含めてこの日は出席しなかった。「請求の棄却を求める」とした答弁書を1月25日に提出。裁判後には石崎氏本人が「男性の意見陳述は明らかに誇張され不正確。主張を精査し、裁判の中で適切に反論していく」とのコメントを出した。

 石崎氏はこれまでソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などで「男性への反訴を検討する」と述べていた。しかし男性側の代理人によると、現時点では反訴されていないという。

 次回期日は3月22日で、非公開で行う。【露木陽介】

毎日新聞
2021年2月4日 10時30分
https://mainichi.jp/articles/20210204/k00/00m/040/027000c