今夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が3日に「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」などと発言したことを巡り、森会長は4日、記者会見を開いて謝罪した。「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な発言だった。深く反省している」と述べ、発言を撤回した。また「辞任するという考えはありません。私は、一生懸命、献身的にお手伝いして、7年間やってきたわけですので、自分からどうしようという気持ちはありません。皆さんが邪魔だと言われれば、おっしゃる通り、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから、そしたら掃いてもらえば良いんじゃないですか」と述べ、続投する意向を示した。

 大会関係者によると、森会長は自ら組織委に連絡し、謝罪の意向を示し、記者会見を開くことになったという。ただ、会見では「そういう話は、もう聞きたくない」と途中で遮るなどの場面もあった。

 森会長は3日のJOC臨時評議員会のあいさつで、女性理事を増やすJOCの方針に対する私見として「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と発言。「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです。女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。だれが言ったとは言わないが」とも述べた。

 森氏の発言は、海外の有力メディアも取り上げ、AFP通信は「性差別の論争に火をつけるリスクを冒した」などと報じている。

 森会長の3日の女性理事についての発言は以下の通り。3日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議委員会で述べた。

     ◇

 これはテレビがあるからやりにくいんだが。女性理事を選ぶというのは、日本は文科省がうるさくいうんですよね。

 だけど、女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります。これは、ラグビー協会、今までの倍時間がかかる。女性がなんと10人くらいいるのか? 5人いるのか? 女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです。

 結局、あんまりいうと、新聞に書かれますけど、悪口言った、とかなりますけど、女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困るといっておられた。だれが言ったとは言わないが。そんなこともあります。

 私どもの組織委員会にも女性は何人いたっけ? 7人くらいか。7人くらいおりますが、みんなわきまえておられて。みんな競技団体からのご出身であり、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですから、お話もシュッとして、的を射た、そういう我々は非常に役立っておりますが。次は女性を選ぼうと、そういうわけであります。

 今夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が、3日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議委員会で「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」などと発言したことを巡り、4日午後2時、記者会見に臨む。大会関係者によると、森会長は自ら組織委に連絡を入れて謝罪の意向を示したといい、記者会見でも発言について謝罪するとみられる。

 森会長は3日のJOC臨時評議員会のあいさつで、女性理事を増やすJOCの方針に対する私見として「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と発言。「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。だれが言ったとは言わないが」とも述べていた。

朝日新聞
2021年2月4日 14時10分
https://digital.asahi.com/articles/ASP244JB0P24UTQP00Z.html