菅義偉首相が14日夜に東京都内で自民党の二階俊博幹事長らと5人以上で会食したことについて、加藤勝信官房長官は16日午後の記者会見で、「国民のみなさんの誤解を招いたのではないかという指摘は、真摯(しんし)に受け止めていかなければならない」と述べた。

 政府の分科会は、大人数や長時間におよぶ飲食については、大声になり、飛沫(ひまつ)が飛びやすくなると指摘。感染リスクが高まる人数についても「例えば5人以上の飲食」などと例示している。加藤長官は「5人以上の会食を一律に避けるべきだという趣旨ではない」と述べたうえで、「会食の目的や感染防止対策の徹底というバランスのなかで、個別適切に判断していくこと大事だ」と釈明した。

 首相の14日の会食は、観光支援策「Go To トラベル」を年末年始に全国一斉停止することを決めた後に行われた。政府が新型コロナウイルスの感染防止策として少人数での会食を呼びかけているなかでもあり、SNS上などで批判が出ている。参加者同士の席がアクリル板などで仕切られ、首相自らも呼びかけた「マスク会食」が守られていたかについて、加藤氏は「承知していない」と語った。ただ、会場は広い部屋で「参加者同士の距離は十分取られていた」とした。(菊地直己)

朝日新聞
2020年12月16日 18時13分
https://www.asahi.com/articles/ASNDJ5WV8NDJUTFK027.html