愛知県議会は13日の定例会本会議で、昨年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の展示内容や運営方法に問題があったとして、河村たかし名古屋市長が提出していた大村秀章知事の辞職勧告決議を求める請願を反対多数で不採択とした。

 採決では、河村市長が代表を務める地域政党「減税日本」所属の島袋朝太郎議員のみが賛成した。

 請願では、昭和天皇の肖像を含む版画を燃やす場面のある映像作品などの展示を「象徴天皇制の冒とくに加担するもの」と主張。芸術祭の実行委員会長だった大村知事が、共催者の名古屋市と十分に情報共有しないまま展示を認めたとして「知事としてふさわしくない」と指摘していた。

 河村市長は同日、議場で採決を傍聴。大村知事のリコール(解職請求)に向けた署名集めをしている美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長も同席した。
 河村市長は請願が不採択となった後、報道陣に「大村知事に一言も言えない議会はとんでもない。県民の意見を代弁するという姿勢と全く違う」と話した。

中日新聞
2020年10月13日 12時37分
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