安倍政権がなぜ許容できないのか、許容してはならない権力なのか。あれこれの政策が問題なのではない。政策が時に奏功しないことは致し方のないことである。

 無論、あちこちで指摘されてきたように、どの領域においても安倍政権は長期安定政権にもかかわらずロクな成果を出せず、ほとんどの政策が失敗に終わった。だが、真の問題は、失政を続けているにもかかわらず、それが成功しているかのような外観を無理矢理つくり出したこと、すなわち嘘の上に嘘を重ねることがこの政権の本業となり、その結果、「公正」や「正義」といった社会の健全性を保つために不可欠な理念をズタズタにしたことにほかならない。したがって、この政権の存在そのものが人間性に対する侮辱であった。

 その象徴と目すべき事件が、伊藤詩織氏に対する山口敬之のレイプとそのもみ消しである。失政を重ね、それを糊塗しなければならないからこそ、山口のごとき提灯持ちの三下が安倍晋三にとっては大変貴重な人材となった。この事件は、犯行そのもの、逮捕の撤回、明るみに出た際の安倍支持者による被害者への誹謗中傷、もみ消し当事者の中村格警視庁刑事部長(=当時)のその後の出世(現在、警察庁次長、すなわち次期警察庁長官の最有力候補である)という経緯のすべてが腐りきっている。このような事件を起こした政権を合法的に継続させているという一事だけでも、現在の日本国民の悲惨な道徳的水準を十分に物語っている。


https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020082800004.html
安倍政権を総括する
【1】安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である
私たちの再出発は、公正と正義の理念の復活なくしてあり得ない
2020年08月30日

参考)
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/05091700/?all=1
握り潰された「安倍総理」お抱えジャーナリストの準強姦逮捕状 被害女性の告白
週刊新潮 2017年5月18日菖蒲月増大号掲載

https://www.dailyshincho.jp/article/2020/01120600/?all=1
「山口敬之」準強姦逮捕状握り潰し 中村格氏が「警察長官」に王手という悲劇
2020年1月12日掲載 デイリー新潮

https://lite-ra.com/2017/09/post-3470.html
安倍御用記者・山口敬之レイプ疑惑がまさかの不起訴相当に! 官邸による逮捕もみ消しをうやむやで済ませるのか 2017.09.22

https://www.news-postseven.com/archives/20200715_1577747.html?DETAIL
安倍政権、7年半の不祥事を振り返るとこんなにあった 2020.07.15

https://mainichi.jp/articles/20191216/k00/00m/010/253000c
「お答え控える」安倍政権の答弁、「悪夢の民主党政権」の4倍 12年105回が19年420回に 2019年12月17日

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/264227
腐ったみかん箱…歴史に残る犯罪者集団となった安倍政権 2019/11/06

https://hbol.jp/204281
“統一教会”の国際会議に自民党国会議員大量出席、清和会会長が来賓として講演
<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第18回>2019.10.17

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/261913
日本会議系に統一教会系…安倍新内閣はまるで“カルト内閣” 2019/09/17