安倍晋三首相の記者会見が6日、通常国会閉会翌日の6月18日以来、約1カ月半ぶりに開かれた。広島市での平和記念式典への出席後に行う毎年恒例のもので、広島市内のホテルで行った。しかし質問は、内閣記者会と広島市政記者クラブの幹事社が事前に通告した計4問に限られ、追加質問は認められないまま約15分で打ち切られた。

 首相は会見で、3問目に聞かれた政府の新型コロナウイルス対策について、時間をかけて説明した。このため司会の広島市幹部が「質問時間が予定を超えています」と質問を打ち切ろうとした。ただし首相が演台に立ったまま応じる姿勢を示したため、予定通り4問目までやり取りが行われた。

 首相が4問目の安全保障戦略の見直しに関して答え終えると、記者席から「まだ質問があります。国民の不安が高まっている中で、なぜ50日間も正式な会見を開かないのか」との声が飛んだ。しかし司会者が「予定時間を過ぎているので、これにて代表質問を終了させていただきます」と打ち切った。首相は最後に「今回の新型コロナについて、割と時間を取って話をした。節目節目で会見をしたいと考えている」と理解を求め、質問に応じることなく会見場を後にした。首相はそのまま広島空港から東京に戻り、午後は首相官邸で過ごした。【畠山嵩】

毎日新聞
2020年8月6日 16時21分
https://mainichi.jp/articles/20200806/k00/00m/010/150000c