安倍晋三首相は2日、首相官邸で「9月入学」を議論してきた自民党のワーキングチーム(WT)座長の柴山昌彦前文部科学相と面会した。首相はその場で「法改正を伴う形での導入は確かに難しい」と伝えた。9月入学の導入について、事実上の断念に追い込まれた。

 柴山氏は「今年度・来年度のような直近の導入は困難」とする党側の提言書を首相に手渡し、首相もこれに同調した形だ。

 9月入学をめぐる政権内の風景は、つい1カ月ほど前まで全く異なっていた。

 「これぐらい大きな変化がある中においては、前広(まえびろ)に様々な選択肢を検討していきたい」。4月29日の衆院予算委員会。新型コロナウイルス禍で学校の再開が見通せない中、9月入学について問われた首相はそう語った。東京都の小池百合子知事らの賛意も背に政権内の検討機運は高まった。(石井潤一郎)

朝日新聞
2020年6月3日07時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN627DXFN62UTFK00K.html
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20200602004485_comm.jpg