安倍首相夫妻が“私物化”している「桜を見る会」について、衝撃的な事実が発覚した。


 なんと、昭恵夫人が始めたビジネスへの資金提供者を次々に「桜を見る会」に招待していたのだ。人数はわかっているだけでも30人以上。しかも、招待したなかには、消費者庁から取引停止が命じられたマルチ企業の社長まで含まれていた。総理夫人が、私的なビジネスへの出資金を集めるために、国民の税金で開かれた「桜を見る会」を利用していた疑いが濃厚となってきた。

 3月1日付の「しんぶん赤旗 日曜版」がスクープしている。

 昭恵夫人が立ち上げたビジネスは、「ウズハウス」(山口県下関市)と名づけられたゲストハウス施設。2016年1〜4月にかけてクラウドファンディングで開業資金を募っている。

 一方、クラウドファンディングに出資し、「桜を見る会」に招待されていたのは、マルチ企業「48(よつば)ホールディングス」の代表取締役だった淡路明人社長(当時)。48ホールディングスは、「公開前に購入すれば、1カ月半後には10倍に値上がりする」などとかたって仮想通貨を販売。2017年10月に消費者庁から一部業務停止をくらった“いわくつき”の企業だ。

■マルチ業者も

 すでに日刊ゲンダイは、昨年12月7日付の紙面で、安倍夫妻と淡路社長との写真を掲載し、<16年4月の桜を見る会の「前夜祭」で撮影されたとみられる。また、桜を見る会で淡路氏が菅官房長官、片山さつき前地方創生相と一緒にいる写真もSNS上では飛び交っている>と、昭恵夫人枠で淡路社長が「桜を見る会」に招待された疑惑を報じている。

 これまで安倍首相は、自身も昭恵夫人も淡路社長と面識がないと国会で全面否定していた。ところが、赤旗日曜版が、淡路社長が昭恵夫人のスポンサーだったことを明らかにした形だ。淡路社長は、赤旗日曜版の取材に対して「知人から出資を持ちかけられて指摘のクラウドファンディングに出資しました」と認めている。ビジネスへ出資する見返りが、「桜を見る会」への招待だったのだろう。

 政治評論家の森田実氏が言う。

「安倍首相の特徴は、国家を私物化し、私物化に昭恵夫人が深く関与しているということです。森友事件も同じ構図でした。この問題は絶対に国会で取り上げるべきです。国会で審議されれば議事録に残り、さすがに大手メディアも報じざるを得ないでしょう」

 国会はコロナ一色になっているが、安倍夫妻の逃げ切りは許されない。

日刊ゲンダイ
2020/02/29 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/269705/