新型コロナウイルスの感染が広がりをみせるなか、熱やせきが続いたらどうすればいいのか。政府の専門家会議は17日にも受診や相談の目安を公表し、感染拡大を防ぐために不要不急の外出を控えることなどを呼びかける。政府はウイルス検査の態勢強化を急ぐ方針だ。

■「確実に蔓延期に移行する」

 「自分が感染したら人に感染させるかもしれないし、広がるほど重症者が増える。なるべく自分が感染しない行動を」。会議の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は終了後の会見でこう強調し、テレワークの促進や時差出勤のほか、不要不急の外出を控えるといったことを挙げた。

 背景には、これからさらに国内で感染が拡大するという危機感がある。「みなさんの認識としては、確実に感染の蔓延(まんえん)期に移行していくというフェーズが来る」。会議終了後、委員の1人は取材陣に話した。

■「軽症でも休む」可能な社会か

 2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)は、症状がある人の隔離を徹底することで根絶に成功した。だが、発症初期は人にうつりにくかったSARSと違い、新型ウイルスは発症後しばらくはかぜと区別が難しく、感染力もあるとされる。

朝日新聞
2020年2月17日06時30分
https://www.asahi.com/articles/ASN2J74JVN2JULBJ006.html