「(献金は)個人ですから」−。中国企業「500ドットコム」顧問の紺野昌彦容疑者(48)=贈賄容疑で逮捕=から現金100万円の授受を認めた下地幹郎氏(維新)は6日の会見で、献金は紺野容疑者個人によるものと繰り返し強調し、自身の潔白を主張した。政治資金収支報告書への未記載を陳謝する一方、紺野氏とのやりとりについては記憶があいまいだと説明。時折、報道陣からの質問にかみ合わない答えもあった。

 会見が行われた那覇市おもろまちの下地氏の事務所には40〜50人の報道関係者が詰め掛けた。質疑は約1時間半続いた。

 下地氏はIR推進派の日本維新の会所属で当時、国会議員でつくるIR議連副会長の立場。紺野氏への便宜供与について聞かれると、IR誘致に否定的な県政が続いていることや、全国で沖縄以外に誘致先が取り沙汰される中で「職務権限もなければやりようがない」と実現性を否定。時折、身ぶり手ぶりを交え、語気を強めながら自身の潔白を訴えた。

 維新の会が企業からの政治献金を禁じていることを念頭に、紺野氏が現金を渡した理由については「(紺野氏に)維新に対する愛着があったとしか僕は想像できない」と主張。善意の個人からの寄付だったとの見解を示した。

 政治資金規正法では外国企業からの献金自体が禁じられていると記者から違法性を指摘されると「(500社が)外国人の企業だと思ってもらったわけではない」と述べ、認識の問題だとして取り合わなかった。

■紺野容疑者と3回面会

 会見した下地幹郎氏(維新)によると、中国企業「500ドットコム」顧問の紺野昌彦容疑者(48)との面会は2017年2〜8月の約半年で3回。初めて会ったのは17年2月26日、県内の事務所で「支援者の知人からの紹介」だった。だが当時の記憶については「何と言って紹介されたのか、何を話したのか覚えていない」という。

 2回目は同年3月14日、東京の議員会館に500社の社長、副社長、通訳と紺野容疑者の4人で訪れたという。この時「(紺野氏が)500社の顧問という認識を持ったと思う」。

 だが、その際も何を話したかはあいまいで「記憶はないんですけど(IRの沖縄進出に関する話は)したんだと思いますね。今の状況からみると」と語った。

 3回目は同年8月2日。同月4日に開催するIRのシンポジウムとその後のパーティーへの参加呼び掛けがあった。これを最後に対面や連絡を取り合ったことはないという。「3回しか会ったことない人ですから。私にとってこの人は(影が)薄いんです」と懇意な間柄を否定した。

沖縄タイムス
2020年1月7日 06:15
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/518859