「党が全額出して、1人5万部もの個人版『自由民主』を印刷してくれるなんて、異例のことです」(自民党衆院議員)

「自由民主」とは、自民党が毎週火曜に発行している機関紙。その個人版は個々の所属議員の活動をクローズアップしたもので、「選挙が近い時期などに自分で費用を出して作成する」(前出の衆院議員)のだという。

 自民党は11月29日、当選5回以下の衆院議員と当選2回以下の参院議員の計262人に、党の経費負担による個人版作成を指示。投開票日が事前に分かっている参院選では党が費用を出すことはあっても、いつ選挙があるか分からない衆院議員向けで党が費用を出すことはまずなく、「解散総選挙が近いのか」といぶかる声が上がっている。

「個人版作成は二階幹事長の指示だそうです。党が費用を出してくれるのはありがたい。通常5万部で50万円ほどかかる。衆参で1億円以上になる計算です。党執行部は当初、全議員を対象にする予定でしたが、『解散風をあおるようなことになりかねない』と、中堅以下に絞り込んだといいます。もっとも、選挙が弱いのは中堅以下。年末年始の挨拶回りや新年会で配れということなのでしょう」(別の自民党衆院議員)

「桜を見る会」をめぐる野党の疑惑追及は、安倍首相が逃げ続ける限り、年明けの通常国会でも続く。通常国会では来年度予算案の審議があり、安倍首相は予算委出席を避けられない。そのため、「桜の疑惑をリセットするための通常国会冒頭解散」の可能性を警戒する向きもある。

 個人版ながらも、首相のメッセージやアベノミクスの成果なども盛り込まれる見通し。やはり臆測を呼びそうだ。

日刊ゲンダイ
19/12/05 06:00
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