放射能の健康被害を無視して進む東京五輪
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/264152

開催まで約10カ月の今になって、マラソン競技などの場所で揉めている東京五輪。
しかし、暑さ以上に重大な、福島原発事故による放射能の問題について、忘れている人も多いのではないか。

東京五輪の危険を訴える市民の会編著「東京五輪がもたらす危険」(緑風出版 1800円+税)は、医師や科学者、避難者たちによる警告の書。
アスリートや観客にもたらす放射能被曝の危険性について、改めて詳述している。原発事故で放出された放射性物質は「ガラス状不溶性放射性粒子」と呼ばれ、
一個吸引しただけでも4500ベクレル相当のリスクになるといわれている。

つまり五輪開催中の短期間の滞在でも危険は避けられず、生涯にわたって健康リスクを背負うことになると本書。
また、野球とソフトボールの会場となる福島あづま球場の放射線量は、セシウム137ベースで最大6176ベクレルの土壌汚染があることや、
東京と関東圏の水道水中の放射性セシウムを吸着フィルターで測定すると、5カ月で最高908ベクレルという高い値となることなども明らかにしている。