世耕経済産業相は8日、韓国への輸出管理を厳格化した半導体材料3品目の一部について、7月の措置の発動以降、初めて韓国向けの輸出を許可したと正式に発表した。経産省の審査で、輸出先での用途などが確認でき、軍事転用の恐れもないと判断した。

 世耕経産相は閣議後の記者会見で「厳正な審査を経て、懸念がないと確認できた最初の案件について、既に輸出許可を付与している」と述べた。許可を出した日付や具体的な品目については明らかにしなかったが、韓国の李洛淵首相は同日、レジストであることを明かした。日本政府は7月4日から、レジストのほか、フッ化水素とフッ化ポリイミドについて、韓国に輸出する企業が個別の輸出契約ごとに許可申請をするよう輸出管理を厳格化していた。

 韓国側は、日本の措置について「世界に影響を与える」などとし、「輸出規制だ」と批判してきた。日本側は、今回の措置が禁輸措置ではなく「審査の結果、問題がなければ輸出を許可する」との説明を繰り返しており、世耕氏は会見で「正当な取引については恣意的な運用をせず、許可を出していることを示したものだ」と強調した。

読売新聞
2019/08/08
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190808-OYT1T50139/