消費税率の引き上げについて、自民党の萩生田幹事長代行が景気の動向次第では延期もありえるという認識を示したことを受けて、麻生副総理兼財務大臣は閣議の後の記者会見で、リーマンショックのような経済危機が起きないかぎり、予定どおり引き上げる考えを重ねて示しました。
この中で麻生副総理兼財務大臣は「萩生田幹事長代行から『日銀短観』ということばを初めて聞いた気がする」と述べたうえで、「少子高齢化という、中長期的に最大の問題に対応し社会保障の安定財源を確保するためには、消費税率の10％への引き上げは必要なことだ」と述べ、消費税率の引き上げの必要性を強調しました。

そのうえで、麻生副総理は「リーマンショックのような出来事が起きないかぎり、これまで申し上げてきたどおりだ」と述べ、リーマンショックのような経済危機が起きないかぎり、ことし10月に予定どおり消費税率を引き上げる考えを重ねて示しました。

また、企業が増税に向けた準備を進める中で、萩生田幹事長代行がこうした発言をしたことは、「企業が迷惑するだろう」述べました。

官房長官「引き上げへ経済運営に万全期す

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で「消費税に関する政府の考え方は、安倍総理や私が、これまで国会で説明してきたことがすべてだ。リーマンショック級の出来事が起こらないかぎり、法律で定められたとおり、ことし10月に10％に引き上げる予定であり、予定どおり引き上げられるよう、経済運営に万全を期していくのが政府の役割だ」と述べました。

世耕経済産業相「準備をしっかり進めていきたい」

世耕経済産業大臣は、閣議のあとの会見で「消費税については法律で10月１日から上げることが決まっている。リーマンショック級のことが起きないかぎり、法律に定められているとおり、10月１日から上げていくということだ。経済産業省としては、キャッシュレスによるポイント還元の準備をしっかり進めていきたい」と述べました。

石田総務相「方針通り準備を進める」

石田総務大臣は、閣議のあとの記者会見で「どういう考えで発言されたのか、萩生田氏から聞いていないので分からないが、われわれとしては、リーマンショック級の大変なことがないかぎり、予定どおり引き上げを行うという方針通り準備を進めていきたい」と述べました。

宮腰一億総活躍相「引き締めを目的とした発言では」

宮腰一億総活躍担当大臣は、閣議の後の記者会見で「発言の趣旨はよくわからないが、衆議院の解散もありうるということで、引き締めを目的とした発言ではないかと受け止めている」と述べました。

NHKニュース
2019年4月19日 12時20分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190419/amp/k10011889221000.html