【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は9日、世界経済見通しを改定し、2019年の成長率予想を3.3%と、1月時点から0.2ポイント下方修正した。日本も1.0%(1月時点は1.1%)に引き下げた。景気の下振れリスクが強まっていると警告し、米中貿易摩擦の激化、合意のない英国の欧州連合(EU)離脱など、「政策ミスの回避が優先課題だ」と訴えた。

 IMFは3カ月ごとに見通しを修正している。世界成長の鈍化は3回連続で、減速傾向が一段と鮮明になった。20年は3.6%に持ち直すとのシナリオを描くが、「さらに引き下げる可能性は高い」と慎重な見方を示した。
 日本については、昨年の災害後の回復が鈍いと予測した。10月の消費税増税に備えた景気対策を歓迎し、20年は0.5%に据え置いた。一方で、財政再建に向けた「緩やかで着実な消費税引き上げの継続」を促した。

 米国は減税効果の剥落で19年を下げた。同年下半期に連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを1回見込むが、緩和的な金融環境が成長を支えるとみている。中国は米国との貿易摩擦が響くものの、景気対策が効くとして6.3%に上方修正した。
 ユーロ圏は1.3%と、さらに減速感が強まる見込み。ドイツやイタリアの成長鈍化が重しになる。英国も1.2%に引き下げた。

時事通信
2019年04月09日22時09分
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