「悪夢のような旧民主党政権に戻すわけにはいかない」(安倍晋三首相)

 これは10日、都内で開かれた党大会での安倍首相の発言。

 はあ、そうですか。あたしは今のほうが悪夢だと思うけど。官僚も企業も、みんな安倍化してしまって。

 嘘とごまかしだらけのこの国は、かなり劣化したように思う。

 世界の報道自由度ランキングも大幅に下がった。

 自国で問題山積みなのに、中国や韓国叩きに精を出すメディアは、安倍化が進んだ最たるもの。

「旧民主党より」

「中国や韓国より」

 いってることもやってることもおなじだ。

 ま、冒頭の安倍首相の言葉は、自民党の党大会での発言であるから、悪夢のようだったというのは、〈自分たちにとって〉ということなのかも。野党だったときは、権力の私物化が難しかったという意味で。

 2009年、麻生財務大臣が首相だったとき政権交代が起きたのは、国民が自民党政治に失望し、新しい政党に期待したからだ。

 最大与党の党首なら、この国の首相なら、なぜ当時の政治が国民から失望され、国民はどんな政治を望んだのかを考えるべきだろう。

 彼にそういう頭はない。自分に反している人は、すべて敵。

 自分に対して不満を持つ国民を「あんな人たち」と指さしで非難し、批判したメディアは名指しの恫喝。国のトップとは思えないほど狭量だ。

 自分より力がある人(トランプやプーチン)には簡単に服従。この国の富も、この国で生きている人の命も、平気で差し出そうとする。

 恐ろしいことに、そんな幼稚な人間が、この国のトップである。

 そして、もっと恐ろしいことに、「政治家なんてそんなもの」と今の状況に慣らされてしまった。

 考えるの面倒くせぇ。これも一種の安倍化なのだと思う。

日刊ゲンダイ
2019/02/15
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247511/