「原発は正しい」というフィクションを守るために官僚はウソをつく――『除染と国家』著者・日野行介インタビュー【後編】
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2018/12/15/107764/

除染の目的は原発事故を幕引きするためだった?
――この本で特に出てくるのは汚染土の再利用という問題ですけども、最初に「汚染土を
再利用しなきゃいけない」という結論ありき
で進めようとするわけですが、彼らはなぜ、
そんな結論を最初に作ったんでしょう?
日野 除染をやらなきゃいけないからですね。
――除染を続けていくためには、汚染土が
どんどん貯まっちゃうと邪魔だから、再利用でごまかそうと?
日野 そうですね。普通に考えたら、全く
ばかげた話なわけですよ。放射能で汚染されている土を取って、またそれを集めて、中間貯蔵施設に持っていきますよと言いながら、その
裏で、もう一度ばらまこうとしているわけです。
詳しい大学の先生に取材したら、「これは
多分、中間貯蔵施設に持っていかないで、
汚染土の仮置き場から直接持って行って、そのまま再利用するつもりだよ」と言ってました。おそらくそうなると思います。「じゃあ、除染って、いったい何のためにしたんですか?」
という話ですよね。
――だったら、最初からそこに置いといて、
住民を避難させれば済むことですよね。4兆円ものお金を使ってそんなことするくらいなら
賠償に充てたほうがよかった。