https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190107-00554636-shincho-soci&;p=3

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「断交状態になっても、海自は困りません」

 さて、こうした韓国側の反論や動画を、海自OBはどのような気持ちで受け止めたのだろうか。質問すると、「脱力ですかね」という答えが返ってきた。

「もちろん動画は見ました。何というか……失笑することも困難でしたね。一言で切って捨てれば、明確な反論は何もなかった。全て疑問形で問いかけているだけで、『レーダー照射をしていない』という事実は提示されなかった。現役の海自自衛官も、怒りを通り越して呆れているようです。『いつまで論争をやっているんだ』と、相手にするだけ無駄という声が漏れています」

 動画の中には、わずかながら“ファクト”を指摘した部分もある。だが、以下のような事実から、その信憑性も疑わしいという。

「毎日新聞の翻訳によると、韓国側は海自哨戒機の接近に『艦艇乗務員が騒音と振動を強く感じるほど威嚇的だった』と抗議しています。ところがP-1哨戒機は、実は低騒音で知られた国産機なんです。レーダー照射を受けた機が、あれだけの高度を保っていれば、震動どころか騒音と呼べるような音量も感じないはずです」

 威嚇のために超低空飛行を行ったという韓国側の主張には、「首を傾げざるを得ません」と顔をしかめる。

「あくまでも推測ですが、哨戒機は通常のパトロール飛行をしていたのだと思います。そして排他的経済水域(EEZ)内で韓国海軍の駆逐艦『クァンゲト・デワン』や警備救難艇を発見、調査や報告、動画の撮影を行っていたのでしょう。それに対し、何らかの理由で、クァンゲト・デワンが嫌がらせのようにレーダーを放射してきた、というのが真相だと思います」

 日本でも韓国でも、政治問題として先鋭化してしまっている。だが、海自の現場レベルでは「もう韓国海軍を相手にするのはやめよう」との雰囲気になっているという。

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