東京医科大(東京都)の不正入試問題で、同大は29日、第三者委員会の最終調査報告書を公表した。新たに2013年から16年の4年間の入試で女子や多浪の男子を不利に扱う得点操作で計109人が不正に不合格とされていた可能性があると指摘。国会議員の依頼を受けて受験生に便宜を図っていた疑惑や事前に入試問題が漏えいした可能性も明らかになった。

 東京医大はこれまで今年と昨年の医学部の入試で不正な得点操作がなければ合格ラインに達していた受験生は計101人に達すると発表している。

 第三者委が時期をさかのぼって13〜16年の入試を調べたところ、一般入試とセンター試験利用入試で女子66人、男子43人が不当に不合格とされていた。内訳は、13年42人(男子27人、女子15人)▽14年24人(男子7人、女子17人)▽15年22人(男子4人、女子18人)▽16年21人(男子5人、女子16人)――だった。

 特定の受験生の優遇は、多くが臼井正彦前理事長(贈賄罪で在宅起訴)と鈴木衛前学長(同)の指示で行われていた。2人の保管する資料からは、特定の受験生への配慮を求める手紙なども見つかり、「2500」などと寄付金を疑わせるメモも含まれていた。

 資料や大学関係者へのヒアリングから、政治家との関わりも浮上した。13年の看護学科の入試では臼井前理事長が担当者に、当時国会議員だった人物から依頼を受けた受験生に便宜を図るよう指示していた。受験生は29人を飛び越えて補欠合格した。医学科では、別の国会議員に対して大学関係者が特定の受験生の名前や受験番号を記したファクスを送っていた。この政治家から何らかの依頼があったとみられるが、調査では合否への影響は分からなかった。

 調査の過程では「試験問題が手に入った」と予備校で話していた受験生がいたとの情報も提供された。受験生の成績は推薦入試の小論文で全受験生のトップだった。大学関係者は漏えいを否定しており、報告書は「問題指摘にとどめ、判断は留保する」とした。

 報告書によると、性別などによる調整は06年の入試を機に当時の伊東洋学長の指示で始まった。元学長は否定しているという。第三者委は「結婚や出産による離職率が男性に比べて高い女性の入学者をできる限り少なく抑える必要がある」との認識が歴代3学長、大学執行部の一部にあったと不正が続いた背景を分析した。【水戸健一】

毎日新聞
2018年12月30日 02時54分
https://mainichi.jp/articles/20181230/k00/00m/040/012000c

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