米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画に対する賛否を問う県民投票条例案が24日、県議会の米軍基地関係特別委員会で採決され、ほぼ原案通りで可決された。条例案は26日の県議会本会議でも可決される見通しで、来春までに県民投票が実施される。

投票結果に法的拘束力はないが、政府と県が激しく対立する辺野古移設計画の行方に影響を与える可能性がある。しかし、投開票事務などを担う市町村のうち石垣市議会が県民投票に反対する意見書を採択しており、全市町村で投開票が実施されるかは不透明だ。

 県民投票の実施は、大学生らでつくる市民団体が約9万人の有効署名を集めて県に求めた。県は9月、条例案を県議会に提出した。

 これまでの委員会審議で県政野党の自民、公明は、投票時の選択肢を「賛成」「反対」の2択とした原案に対し、「やむを得ない」「どちらとも言えない」を加えた4択とする修正案を提出。一方、玉城(たまき)デニー知事を支える県政与党は原案の文言を微修正した2択案を提出していた。この日の採決で、野党案は否決され、与党案が可決された。

 条例案では条例の公布から6カ月以内の投票実施を定めている。法的拘束力はないが、賛否いずれかの票が全有権者の4分の1以上に達した場合は「知事は結果を尊重しなければならない」としている。【遠藤孝康】

 【ことば】普天間飛行場移設問題

 米軍普天間飛行場の移設先である沖縄県名護市辺野古の埋め立て承認を県が8月31日に撤回。現在移設工事は止まっている。防衛省は今月17日、撤回処分の取り消し裁決を求める審査と、裁決が出るまで撤回の効力を止める執行停止を国土交通相に申し立てた。今後、国交相は防衛省と県双方の主張を踏まえ、執行停止の可否を判断する。

毎日新聞
2018年10月24日 20時55分
https://mainichi.jp/articles/20181025/k00/00m/040/082000c