漫画などを無料で読ませる海賊版サイトの対策を検討する政府の有識者会議は15日、事務局が示した中間報告案について、強制的に閲覧を止める接続遮断(ブロッキング)の法制化を認めるかどうかで議論がまとまらず、中間報告としてのとりまとめを断念した。この日の議事録は公開する方針だが、今後は政府の対応が焦点となる。

 同会議では本来、9月に中間報告をとりまとめる予定だったが、接続遮断の法制化をめぐり委員の半数が反対する異例の事態となり、先送りに。この日の会合でも委員から、「中間報告としてまとめた時点で、接続遮断の法制化の動きが進む」などの異論が続出したため、結論はまとまらなかった。

 海賊版サイトの接続遮断は、政府が4月に法制化の方針を打ち出した。接続遮断に踏み切る場合、インターネット事業者が全ての利用者のアクセス先を検知する作業が必要となる。

 出版業界などは「他に有効な手段がない」と支持する一方で、通信業界や一部の弁護士らからは「『通信の秘密』の侵害につながる」などとして慎重論が相次いでいた。

産経新聞
10/15(月) 20:38配信
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