モリカケ論功人事じゃないのか――。初入閣を果たした2大臣を巡り、自民党内でも怨嗟の声が上がっている。

 1人目は石田真敏総務相だ。今年3月に衆院予算委員会で行われた佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問。質疑のトップバッターが石田だった。森友文書改ざんについて、誘導尋問のような質問を重ね、佐川氏から「(国有地値下げの)経緯の中で総理夫人の影響があったというふうには思っておりません」との答えを引き出した。

 偽証は罰せられる証人喚問の場で、佐川氏に昭恵夫人の森友問題への関与を否定させた褒美として入閣できたと、専らの評判である。

 もう1人の山本順三防災相は、もっと露骨だ。山本は愛媛選出の参院議員で、出身は加計学園の獣医学部のある今治市。今も地元事務所は同市内に置いている。

 安倍首相の出身派閥の細田派に所属し、2年前に改選を迎えた参院選では昭恵夫人も応援に駆けつけた。問題は加計学園とのズブズブ関係だ。

昨年7月に週刊文春が下村博文元文科相の加計学園からの闇献金200万円疑惑を報じた記事に、実は山本も登場。下村事務所の日報に2014年4月23日に下村の紹介で加計学園の秘書室長と会食、さらに同年10月17日には加計孝太郎理事長と共に下村や同じく愛媛選出の塩崎恭久元厚労相と、東京・赤坂の料亭で会合を持つ案内が記されていたという。今治市在住で「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表が言う。

「山本氏は獣医学部誘致の地元対策を巡り、安倍首相と今治市長とのパイプ役を務めたとの情報もあります。昨年8月、地元の国政報告会で誘致反対派の市民に取り囲まれましたが、終始ダンマリ。地元では加計問題の渦中に口を割らなかった論功で、ようやく入閣できたと持ちきりです」

 2人の初入閣は、安倍がモリカケ問題について全く反省していないことの証明である。

日刊ゲンダイ
2018/10/04 19:15
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