26日から募集が始まった東京五輪ボランティア。12月上旬までの募集期間内に11万人を集めるという。早速、日刊ゲンダイの記者も応募してみた。

 まずはボランティアに参加するため、「東京2020ボランティア」のホームページにアクセスすると、いきなり「応募フォームの入力には約30分かかります」と赤文字で警告が。恐る恐る応募ページに入ってみると、まさかの英語表記の説明に出はなをくじかれた。どうやら、日本語に変更するには自分で設定を変えなければならないようだ。

 入力内容は自宅住所や電話番号といった基本情報だけでなく、これまでのボランティア経験や大会への意気込みなど、記入項目は70カ所以上という煩雑さ。さらに「居住国」の項目では、アイウエオ順に並ぶ国名から、なぜか最後の方に位置する「日本」をさがさなければならなかった。

本人確認には顔写真の登録と、運転免許証かパスポート、マイナンバーカードのいずれかが必要だという徹底ぶりだが、ボランティアの主力となるのは都内の大学生。免許証やパスポートを持っていない学生も少なくないのではないか。

 さらには、連携大学やパートナー企業には専用のコード番号の入力箇所があり、どの学校や企業からどれだけ応募があったのか、しっかりと監視されているようだ。

 ツイッター上では、応募しようとしたが入力項目の煩雑さに、早速辞退したという声も。こんな面倒な募集方法で本当に人が集まるのか。東京五輪大会組織委員会に問い合わせたが、「応募状況につきましては現時点で公表しておりません」と回答。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、応募フォームが煩雑になった理由についてこう言う。

「五輪ボランティアの募集ということで、いろいろな人が応募してくるのを想定したのでしょう。差別だと批判されないよう忖度して選択肢を多くした結果、逆に使いづらくなるという、ネットのシステムではよくある話ですね」

 ただでさえ人が集まるのか不安視されているなか、出だしでつまずいていては先が思いやられる。

日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/238416/