立憲民主党の勢いに陰りが見えている。支持率は右肩下がりが常態化し、打開の糸口はつかめていない。昨年の衆院選で非自民票を幅広く集めた同党だが、国会戦術の先鋭化が支持離れを招いているようだ。

 立憲民主党は30日夜、準党員である「パートナーズ」の集会を東京・後楽園ホールで開いた。「格闘技の聖地」にちなみ、配布ビラには「草の根民主主義のゴングを鳴らせ」の文字が躍る。アイドルグループ・乃木坂46の代表曲「インフルエンサー」が流れる中、リングに上がった枝野幸男代表は、約1200人の参加者を前にこう訴えた。

 「全ての人が生活がよくなったという実感を持てる社会を目指し、皆さんと一歩ずつ歩んでいきたい!」

 ただ、高揚感に満ちた集会の雰囲気とは裏腹に、党は結党以来の窮状に直面している。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が25、26両日に行った合同世論調査で、支持率は過去最低の10・7%に落ち込んだ。安倍晋三内閣の不支持率は44・4%と低くはない。その政権批判層を立憲民主党が十分に引きつけていないことが分かる。

 立憲民主党の支持率は、先の通常国会序盤の2月に最高の15・6%に達した。国会では森友、加計学園問題などを主軸に据え、徹底抗戦路線を敷いた。「与党にすり寄る野党が支持されるわけがない」(幹部)と読んだからだ。

 しかし、4〜5月の大型連休前後の審議拒否は「18連休」と批判を浴び、連動するように支持率もじわじわと下がった。独自性の発揮にこだわるあまり、政権への不支持層を幅広く取り込む野党像から離れるジレンマに陥っている。

 野党の中では高い支持率を誇ってきた立憲民主党は、「旧民進党再結集」を模索する他党と距離を置き、独自路線を突き進んできた。ただ、今後も支持率の下降が続けば、「孤高」を貫けるかは見通せない。

 「支持率の差が縮まってきたら、枝野氏は再編の話し合いに乗ってくる」

 国民民主党幹部はこうほくそ笑んだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180831-00000504-san-pol