自由党衆院議員の玉城デニー幹事長(58)が29日会見し、沖縄県知事選(9月13日告示、30日投開票)への出馬を正式に表明した。辺野古の新基地建設に反対するオール沖縄会議を主軸に、共産党や立憲民主党など国政の野党が支援する。

 これで、自民党と公明党が推薦する佐喜真淳前宜野湾市長(54)との一騎打ちの構図が固まった。ひと足早く候補者を決めた自公は、本部職員を沖縄に派遣するなど国政選挙並みの支援体制を敷いているが、既に情報戦も始まっている。

「民間の調査会社の情勢調査が出回っています。調査日は不明で、玉城氏53%、佐喜真氏26%、未定20%だそうです。他に、日本維新の会の調査結果だとして、玉城氏57%、佐喜真氏21%という数字もあります。いずれも玉城氏がダブルスコアの優勢ですが、維新は自公とともに佐喜真氏を推薦する。佐喜真陣営を引き締め、玉城陣営を油断させるための情報かもしれません」(地元記者)

ただ、出典のはっきりした調査もある。選挙情報サイト「選挙ドットコム」によれば、先週24日の数字では玉城氏が大きく先行。未定者は2割だったという。

「投票日の1カ月前なら未定者がもっと多いのが通常で、2割は少ない。翁長雄志知事が死去し、その後継として玉城さんをクローズアップする報道も多いので、玉城さんを後押しするムードがあるからではないでしょうか」(選挙ドットコムの増沢諒編集長)

 オール沖縄の面々などとともに臨んだ29日の玉城氏の会見は、玉城氏の右隣が空席で、翁長知事が11日の県民大会にかぶっていくはずだった青い帽子が置かれていた。そこで玉城氏は、「翁長知事の遺志を引き継ぎ、新基地建設阻止を貫徹する」と強い決意を示していたのだが、驚いたのは、一騎打ちの構図が固まったことを受けて自民党の塩谷立選対委員長が出したコメントだ。ナント、「翁長氏の功績をしのび、思いを受け止める」である。新基地建設を強権的に進めて、翁長知事を苦しめ続けた自民党が、どの口で言うのか。

 小沢一郎自由党共同代表は、「政府と自公は必死になって、あらゆる手段を講じてくるだろう」と言っていた。手段を選ばぬ安倍政権のこと。この先もアノ手コノ手で玉城陣営を揺さぶるに違いない。玉城陣営が「オール沖縄」で結束し県民の心をつなぎ留められるかがカギだ。

日刊ゲンダイ
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