■支持が伸びない立憲民主党

 しかし、事態は、国民民主党の支持率を笑ってすむほど甘くはない。立憲民主党もまた、支持が伸びていないのだ。

 今回の支持率6%は、昨年の衆院選前にゴタゴタが起きていたころの民進党並みとなってきている。
原因として考えられるのは、一部で強い支持層がいるものの、国民に支持が広がっておらず、
衆院選のころの熱気が冷めてきていることだ。

 もともと、立憲民主党の支持者は中高年層に多いと言われているが、そこから広がりがない。
さらに、共産党から流れてきた支持者の一部も共産党に戻ってしまっている。
立憲民主党の支持者を広げるには、無党派層を取り込んでいくしかないのだが、今のところ、うまくいっていない。

■左に寄りすぎている野党

 振り返れば、かつての民主党は右から左まで様々な意見を持つ政治家の集まりだった。
そのため、「まとまりがない」と言われ、実際、“内ゲバ”が起きてしまったのが、存続することができなくなった理由でもある。

 そのうち、「左」の立場に近い議員が中心となり結党されたので、立憲民主党はどうしても共産党や社民党に近くなってしまう。
その結果、保守的な考えを持つ国民の「行き場」にはならない。

 確かに原発には反対だ。でも、憲法改正については、検討してもよいのではないか。そう考える国民もいる。
与党に対して反対ばかりではなく、もっと議論を尽くせないかと考える国民も多いだろう。

 「まともな議論も避けるような与党自民党が、強行採決によってゴリ押しで欠陥法案を通そうとするなら、
こちらも強硬な手段を取る必要がある」という立憲民主党の言い分は、理解できないわけではない。
だが、そもそも数の上で圧倒的な差をつけられている以上、強硬手段に打って出たところで、法案は可決されてしまう。
そうであれば、少しでも修正し、国民にとってよりよい法案をつくるよう議論を進められないかというのも、また理のあるころではないか。

 「実は、反対しているのは一部の法案である。それが目立つので、すべてに反対しているように見えるかもしれないが、
多くの法案には賛成して成立させている」という言い分もあるが、そういう姿は残念ながら国民には見えない。
自らの情報発信チャンネルを育てずに、マスメディアに頼っていては、
「いつも反対して文句を言っている」政党というイメージしか、国民には発信できない。

http://webronza.asahi.com/politics/articles/2018080900002.html
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