https://www.j-cast.com/tv/2018/08/02335390.html?p=all

人を呪わば穴二つという諺がある。他人に害を与えようとすれば、自分にもいつかは降りかかってくるという意味だが、菅野完というジャーナリストもその言葉が身にしみていることだろう。

菅野は日本会議の研究や森友問題追及でその名を知られた。私は面識はないが、なかなかいいところに目をつけるジャーナリストだと思っていた。今週の週刊現代は、菅野がアメリカにいるとき、女性に対する暴力事件で逮捕されていた「過去」があると報じたのである。

1997年8月、テキサス州キリーン市内のセントラル・テキサス大学に通っていた菅野は、交際していた同級生の日本人女性を電話料金を払え払わないで揉めて、電話機を彼女に投げつけケガを負わせたというのだ。彼は逮捕され市の拘置所に収監された。その後、罰金650ドルと12カ月の保護観察処分がいい渡されたという。

だが、判決直前に菅野は先の彼女を再び殴り逮捕されてしまうのである。菅野は保証業者に2500ドルの保釈金を建て替えてもらって保釈されたが、保釈中に姿をくらまし、日本へ帰ってしまったというのだ。海外に出たため時効は止まったままである。

しかも彼は2012年にも、初対面の女性に性行為を迫ったとして訴えられ、敗訴して110万円の支払いを命じられているのである。これでは女性への暴行常習者と見られても仕方あるまい。菅野は週刊現代に対して、「ご指摘の内容は全て事実です」と認め、愚かだったと話している。

現在は、「認知行動療法などのプログラムを受けている」そうだ。時効の件については、「今後は弁護士の指導のもと、急ぎ米国のしかるべき機関等に問い合わせ、詳細を確認したうえで、謝罪と刑事手続きを誠実に履行してまいります」と答えている。一強といわれる安倍首相の支援組織や、安倍と妻・昭恵が関与していた森友学園問題の闇を暴き、ジャーナリストとして活躍し始めたのに残念である。

権力側はジャーナリスト一人ひとりの情報を全て握っている。私も週刊現代編集長のとき、告訴された件で何度か東京地検へ呼び出され聴取された。その頃でも、係官は私に関する分厚い個人情報をめくりながら、「元木さんは何年何月、こういう件で、罰金を払ってますね」と突っ込みを入れてくる。「それはもう時効ですよ」といい返したが、菅野ケースではそうはいくまい。ここは速やかに事を処理し、刑に服するなどしてけじめをつけ、雌伏何年か後に、ジャーナリストとして一から始めるしかあるまい。

(略)