0097 文責・名無しさん 2007/05/05 21:29:07
石井 紘基 (著)日本が自滅する日―官制経済体制が国民のお金を食い尽くす

序章 真の構造改革とは何か――「もう一つの日本」を直視せよ 
第1章 利権財政の御三家――特別会計、財投、補助金 
第2章 経済むしばむ“官企業”――特殊法人と公益法人など 
第3章 公共事業という名の収奪システム 
第4章 構造改革のための25のプログラム

レビュアー: カスタマー   東京都 Japan
 著者の石井氏は2002年に右翼を装う人物によって刺殺されてしまった。しかし犯行動機が
不自然極まりないものであったため、この事件には裏がありそうだと言われている。計画的な
暗殺だったことは、この著作を読んで殆ど確信できる。何故なら石井氏はこの本で日本に群棲
する土人たちが形成する封建的利権構造体について詳しく分析しているからであり、土人の
首長たちは、このように事実を明らかにされることに、さぞ不満だったろうからである。
 この本で石井氏は日本の主要な資本が国家を還流していることを指摘し、日本が表面的には
資本主義を装っているものの、実相としては国家社会主義経済であることを明らかにしている。
毎年一般会計予算成立が報道されるが、国家会計で数倍の規模をもつ使途特定税の会計である、
特別会計は主に農林省、国土交通省の裁量で各地方に配分されているのだ。必要性も将来性も
吟味されていない港湾計画や道路建設計画などの計画経済が何十年先まで組まれているのである。
この国家社会主義という実相を裏付けるものとして石井氏は就業者人口の職業別分布を上げる。
何らかの形で国家に関わって喰っている人間が5割もいるのである。確かに国家には収税を
通じた富の再配分という機能があるものの、国家社会主義を推進する日本の場合、一部の国家に
取り付いた寄生虫のごとき連中に過剰配分されているという現状が明らかにされている。それが
昨今独立行政法人という偽装のもとで増殖している国家企業体を通じて為されているのである。
 このような事実を明らかにする力量と強い意志を持つ石井氏が日本にとって極めて重要で貴重な
人物だったことは明らかである。彼の冥福を祈るとともに、この本を推薦す。
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