◆昨年から拡大

公的年金の積立金と日銀が株式市場に大量の資金を投入した結果、3月末時点で、東京証券取引所一部上場企業2064社のうち少なくとも710社で公的マネーが「筆頭株主」になっていることが本紙の推計で分かりました。代表的な大企業の3社に1社で公的マネーが筆頭株主となる異常事態です。17年3月末の本紙推計625社からさらに増えました。

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有する株式は銘柄別の株数が公表されています。日銀は、株価に連動して運用される株価指数連動型上場投資信託(ETF)を年間6兆円購入することによって、株式市場に資金を投入しています。日銀が保有するETFの銘柄別内訳は公表されていませんが、日銀の購入方針などから、間接的に保有する個別銘柄の株数を推計できます。


◆トヨタが最多

二つの公的マネーを合わせた投入額は、トヨタ自動車が最多の1兆9497億円、次いでソフトバンク・グループ1兆1345億円、三菱UFJフィナンシャルグループ1兆482億円と続きます。投入額上位10社のうちトヨタ自動車を含め6社で公的マネーが筆頭株主でした。

 また、投資先として特に評価が高い大企業で構成する「日経225指数」の採用銘柄225社に限定して集計すると、公的マネーが筆頭株主になっている企業は189社で、84%を占めました。

 安倍晋三政権は日銀に大量のETFを買わせ、GPIFの積立金の株式による運用比率を2倍に拡大しました。株式市場に巨額の公的マネーを投入することによって株価をつり上げています。

しんぶん赤旗
2018年7月19日(木)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-19/2018071901_04_1.html
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