自民党の石破茂・元幹事長は13日、香川県観音寺市を訪れ、大平正芳元首相の墓前で手を合わせた。石破氏は大平氏が唱えた「田園都市構想」などに共鳴。総裁選に出馬意向の石破氏だけに、大平氏がかつて会長を務めた宏池会(現・岸田派)に秋波を送った形だ。

 石破氏は墓参後、大平氏の銅像や記念館を見学し、在りし日の大平氏に思いをはせた。石破氏は記者団に、大平氏が一般消費税を掲げて衆院選に臨んだことを挙げ、「不人気な政策でも国民に問う姿勢を、政治家は学ばなければいけない。政権第一という考え方ではない」と語った。

 石破氏は7日には新潟県柏崎市で、「師」と仰ぐ田中角栄元首相の生家や墓などを訪問。現職の首相が総裁選で唯一敗れた例は、1978年に大平、田中両氏の「大角連合」に屈した福田赳夫氏だけだ。石破氏も「大角」の流れをくむ派閥との共闘を模索したいとみられ、記者団に「地方から新しい日本をつくる大平、田中両元首相の思いを我々の世代も受け継いでいく」と語った。(岩尾真宏)

朝日新聞
2018年7月16日00時34分
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