2018年6月25日12時24分 朝日新聞デジタル

 政府は、所有者の分からない土地について、土地を放棄できる新たな仕組みなど、必要な制度について今年度中に具体的な方向性を示す方針だ。2020年までに、民法などの関連法を改正するとしている。

 国土交通相、法相など関係6大臣と官房長官で構成する関係閣僚会議を1日に開いて基本方針を決定。「人口減少・超高齢社会が進展し、相続多発時代を迎えようとする中、問題の解決は喫緊の課題」として、今後検討する8項目を挙げた。

 現在、土地を放棄するときの手続きを定めたルールはない。そこで、土地を手放すための新たな仕組みや土地の受け皿のあり方、長期間にわたって放置された土地は所有権を放棄したとみなす制度などを検討する。

 また、現在は任意の相続登記を義務化することも議論する。相続を機に、所有者が分からなくなることがあるためだ。登記簿と戸籍の情報を連携させることで、所有者の情報を把握しやすくする仕組みについても話し合う。

 民間の研究会の試算では、所有者の分からない土地は16年時点で九州本島より広い約410万ヘクタール。40年には北海道本島の面積に迫る720万ヘクタールに増えるとしている。公共事業に当たっての収用や都市開発が進みにくくなるなどの問題が、各地で起きている。

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