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内容紹介
大阪・豊中支局にかかってきた1本の電話がきっかけとなった、「森友学園」の国有地売却問題。
偶然耳にした話が「総理のご意向」文書の特報につながった、「加計学園」の獣医学部新設問題。

朝日新聞のスクープによって次々と明るみになった疑惑は、
さらに、財務省による文書改ざん、「本件は、首相案件」と記された文書の発覚で、
民主主義のあり方が問われる事態にまで広がった。
国有地取引をめぐる不当な値引きはされたのか。
獣医学部新設について首相側は関与したのか。
そして、一連のスクープの裏側には、情熱を燃やしつつ、
冷徹に事実を見極める記者たちの地を這うような取材があった――。
この国の政治・行政を揺るがし続ける疑惑の核心に、独自取材で迫る。


【第1部】 森友学園・国有地売却問題
●第1章 疑惑
疑惑の始まり/不可解な土地の「価格」/「答えられない」非公表の謎/黒塗りだらけの開示文書/理事長が認めた「売却価格」/結実した第一報/8億円のごみ撤去費/「1強」首相の強気/「総理大臣も国会議員も辞める」/「偽メール問題」のトラウマ/コンニャク会見
●第2章 矛盾
塚本幼稚園をめぐるあつれき/「安倍首相がんばれ」の衝撃/小学校認可の要望と規制緩和/事実と異なる不自然な説明/小学校の開校断念/「早く進めないといかん」/「子どもをだしにした詐欺」
●第3章 追及
関わりを否定した「保守派スター」/翌日の謝罪と撤回/突如現れたキーマン/飛び出した「100万円」証言/「封筒に入ってました」/「神風が吹いた」/首相夫人付職員とファクス/相次ぐ私信の公開/音声記録に残る「特例」の意味/明かされた交渉経緯
●第4章 変遷
昭恵氏との記念写真/籠池ヒストリー/「鉄面皮」の官僚/「うそつき総理はもういらん」
●第5章 告発
動き出した特捜部/現場記者のプレッシャー/「国会閉会」翌日の異様な空気/朝まで続く家宅捜索/詰めの捜査段階へ/籠池夫妻の逮捕/「時間を区切る事件ではない」
●第6章 核心
取材班の再編成/国と学園の交渉の「歴史」/不鮮明≠ネ根拠/「国会答弁の根拠が崩れた」/「検査院の存在意義が問われる」/ごみの量「7割少ない可能性」/政府の苦しい弁明/再生計画案の提出と窮状
●第7章 改竄
「特殊な処理を行った案件」/強まる更迭論/書き換え≠轤黷ス決済文書/「挙証責任」/佐川氏、突然の辞職/「改ざん」文書の公表/与党の財務省バッシング/「刑事訴追の恐れがある」/求められる「真相解明」
【第2部】 加計学園・獣医学部新設問題
プロローグ
●第1章 初報
「5階」に漂う緊張/「獣医学部」をめぐる状況/独自入手した決定的文書/文科省トップの慎重姿勢/「国家戦略特区」をめぐるある疑問/あまりのスピードで$iんでいく/突如、打ち出された「空白地要件」/3カ月に及んだ取材の成果
●第2章 激震
「怪文書みたい」「確認できない」/「行政がゆがめられた」/前川氏をめぐる「妙な」報道/問われる行政のあり方/首相補佐官のある発言/強気の首相「印象操作だ」
●第3章 混乱
NHK報道の衝撃/情報公開への消極姿勢/突然の方針転換「再調査実施」/次々に見つかった文書/官房長官の歯切れの悪さ/追加された「広域的に」の文言/内閣府のちぐはぐな%囎ル/さらなる文書の存在/都議選での自民党の危機感/「こんな人たちに――」首相の焦り
●第4章 疑念
キーパーソン不在の国会審議/京産大「断念」で浮かんだ矛盾/三つに集約される「首相への疑問」/首相周辺の「働きかけ」はあったのか/安倍首相「1月20日」発言の波紋/「記憶はない」「記録はない」/「何を信頼すればいいのでしょうか」/局面打開狙った内閣改造
●第5章 露呈
揺らぐ「加計ありき」否定の説明/削除された、ある「やりとり」/首相秘書官との面会≠フ意味
●第6章 変転
「解散」一色に染まった永田町/「排除」発言から一変した流れ/首相の正確でない£ゥ日新聞批判/「学部新設」に関する今治市の思い/加計学園へのさまざまな注文/早くから指摘されていた計画の不備/疑問が残る「公正さ」のプロセス/かみ合わない議論、野党分裂の影響
●第7章 再燃
新たな事実/「私は部下を信頼している」/取り戻した?「記憶」/ますます深まる疑問/問われる首相発言/「どちらかがウソ」/問題は終わらない