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【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市は7日、同市高津区の五つの公園・広場のベンチなどで在日コリアンを差別する落書きが見つかった、と発表した。同じ筆跡で「朝鮮人こそレイシスト」「朝鮮人こそ反日ヘイト」「神奈川県警は朝鮮人の犬」などと書かれていた。市は器物損壊容疑で高津署に被害を届け出た。

 市によると、ベンチや柱など計11カ所に黒の油性ペンで書かれていた。6日に清掃ボランティアが2カ所で発見。残りは市民の通報を受けて区職員が調査し、7日に確認した。消去したり、ブルーシートで覆ったりする措置を取った。5月21日の清掃時、落書きは見当たらなかったという。

 市人権・男女共同参画室の担当者は「誰が書いたか不明で、落書きがされたことや背景についてコメントできない」と話している。

 市内では、極右活動家の講演会を巡って市が市教育文化会館(川崎区)の使用を許可し、講演会当日の3日、市民の抗議で中止となっていた。福田紀彦市長は5日の定例会見で会館使用許可の判断は正しかったとし、市民の抗議について「混乱したのは遺憾。実力行使は望ましい姿ではない」との見解を示していた。

 市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」の三浦知人事務局長は「ヘイト集会を許可した揚げ句、市民の側を『遺憾』と批判した結果、レイシストを勇気づけ、差別があおられている。市長の判断と認識の誤りは明らかだ」と断じた。