・【グランドフロア・1F】〜巨大な無人展示室〜

さて本来なら順番的には一番最初に入るのがこのグランドフロア(地上階)である。The Japan Store開業時には現地人らの列も出来たという記事もあったが、私が訪れたときは全く人がおらない。念のため断って置くが、筆者はこのThe Japan Storeを、4日間連続で訪問したが、すべてに於いて閑古鳥が鳴いていた。同店で撮影した写真は、筆者がわざわざ客が居ない時間帯や場面や角度を狙って撮ったのでは無い。恒常的にこのような状態なのである。

 グランドフロアは、百貨店の顔である。常にお客様はこの階から入り、地下の食品フロアーや上階へ上がっていくいわば交差点のようなモノだ。しかし、食品フロアーと同様、全ての商品にあって値段が高すぎるせいで、人が存在しない。このグランドフロアーには「和」をモチーフにした日本の服飾雑貨が展示されているのだが、日本のコンビニで150円程度で売っているウェットティッシュが600円〜、フェイスクリームが2,000円〜、耐熱性の皿15,000円〜という有様なのである。

 まるで地方の博物館のごとくショーケースに入れられた日本産皮革で作られた男性用ポーチの値付けを見ると16,000円也。品質が違うとは言え、同程度の男性用小物は、同市内の欧米系ファストブランドですら2,000円程度で買い求めることが出来る。一体このショーケースの中の日本産服飾小物は、開業からずっと売れないでここに居座っているのでは無いか?と錯覚してしまう。

・【日用雑貨フロア・2F】11万円の仏像、なぜかスターウォーズ推し〜

ほとんど無人の店内を、エスカレーターで2Fに昇るとそこは日用雑貨フロアである。ここに至って、私ははっきりとこのThe Japan Storeに不快感を通り越して嫌悪感を感じるに至った。2Fの中心には、一応日本製のインテリアらしきモノが置いているのだが、その値付けが凄まじい。謎?の仏像110,000円、皇室の紋章をかたどった?30センチほどの置物14,000円也。皇室の紋章であり日本の国章を、こんな風に安直に、しかも誰も買わないようなインテリアにしていいものだろうか。

 まあこれの賛否はさておくとして、もっとも驚愕したのはこのコーナーのメインは仏像でも菊花でもなく、スターウォーズのインテリアで占められていたところだ。ダースベイダーやルークスカイウォーカー、R2D2の合金製インテリアが躊躇無く展示されている。え、ここって日本文化、クールジャパンの前衛たるThe Japan Storeですよね?

 私は目を疑った。何度も確認したが、そこには菊花と並んでスターウォーズが堂々と棚を寡占しているのである。しかもその値付けが異常極まる。ミレニアム・ファルコン号の、ほんの20センチほどの合金製模型が66,000円也。だ、誰が買うのだろうか?そして、これは日本文化やクールジャパンに何か関係があるのだろうか?ちなみにこの意図不明のスターウォーズ展示には、黒澤明の『隠し砦の三悪人』などの説明は一切存在しないことを付記しておく。

つづく