やっぱり供応を受けたのか――。「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、当時「内閣府地方創生推進室次長」だった藤原豊氏(現・経産省審議官)が、加計学園から接待を受けたのかどうか、大問題になってきた。

 すでに、2015年8月、熊本県や岡山市、今治市に出張した際、「加計学園」からクルマの提供を受けていたことが明らかになっている。さすがに、利害関係者の「加計学園」から便宜供与を受けたことを「マズイ」と思ったのだろう。出張記録には、移動手段を「岡山市内〜今治市内〜松山空港は官用車利用」と虚偽の記載をしていた。

 当然、野党は「クルマの提供だけでなく、飲食の供応もあったのではないか」と追及していた。もし、供応がなければ、安倍内閣は否定すればいいだけの話。ところが、野党議員の質問主意書に対し「質問の具体的な範囲が明らかでないため」として「お答えすることは困難」とする答弁書を閣議決定。さらに、28日の国会審議でも、ハッキリと否定しなかった。その結果「やっぱり接待を受けたのか」と、疑惑が深まっているのだ。

藤原審議官の出張の目的は、国家戦略特区・構造改革特区に関する意見交換だった。この2カ月前、内閣府は今治市と愛媛県から特区の申請を受けていた。

 供応があったのか、なかったのかが問題になっているのは「収賄罪」に問われる可能性があるからだ。元特捜部検事の若狭勝弁護士がこう言う。

「まず、出張記録に虚偽の記載をしていたとしたら、理屈上は『虚偽公文書作成等罪』に問われます。さらに、供応を受けていた場合は、『収賄罪』に問われる可能性がある。特区の選定実務を仕切る地方創生推進室次長には、職務権限があったと考えられるからです。供応は賄賂と見なされる可能性があります」

■規制改革大好き人間

 藤原審議官は、文科省の担当者に「これは官邸の最高レベルが言っていること」と、加計学園の獣医学部新設を進めるように厳命したのではないかとも問題になっている。いったい、どんな人物なのか。

「東大卒のキャリア官僚ですが、経産省の主流ではありません。内閣府など、いつも外にいるイメージです。本人は“規制改革大好き人間”。ただ、他人の話を聞こうとせず、“規制改革は善”“反対するのは悪”という意識に凝り固まっている。加計学園から提供されたクルマを利用したのは、接待というより、単純に電車よりラクだからということだったのでしょう」(霞が関関係者)

 供応を受けたのかどうか、本人を国会に呼んで聞くべきだ。

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