加計学園の獣医学部新設をめぐる問題。うそをついているのは誰なのでしょうか。国会は28日も大荒れとなりました。

 「委員が作られたストーリーなんだろうと」(安倍首相)

 「ストーリーじゃないよ」

 「答弁を続けますよ」(安倍首相)

 議論の中心となったのは、加計学園が報道各社に送った謝罪のコメントです。

 「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまったように思うとのことでした」(加計学園)

 事の経緯は次の通りです。

 今月21日、愛媛県が、加計学園から「3年前の2月25日に理事長が安倍総理と面談した」などとする報告を受けていたことを公表。すると翌日、安倍総理は「ご指摘の日に会ったことはない」とその内容を否定しました。これを受ける形で、加計学園が「実際にはなかった面会を引き合いに出した」と謝罪したのです。つまり、加計学園のコメントは、“うそをついたのは学園側で安倍総理の主張は正しい”ということを意味します。

 「コメントの発出に対して、加計理事長もしくは加計学園から、総理に直接の事前の連絡、官邸への連絡はありましたか」(立憲民主党 福山哲郎幹事長)

 「全くございません」(安倍首相)

 愛媛県の文書には安倍総理が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と発言したと書かれていましたが、安倍総理は、「伝聞の伝聞だ」などとして、文書の内容を改めて否定しました。

 虚偽の報告を受けた愛媛県知事は怒っています。

 「普通は関係者に謝罪・説明それから責任者の記者会見というのが、世の中の常識だと思っていましたから、どうしてこういう形になったのかが、よく分からない」(愛媛県 中村時広知事)

 対照的に冷静なのは安倍総理です。

 「総理は何で怒らないんですか」(共産党 小池晃書記局長)

 「怒るとか怒らないとかいうことではなくて、まず、愛媛県の文書について、私は県の文書ですから、コメントする立場にはない」(安倍首相)

 「総理との架空の面談をでっち上げ、“獣医学部の新設を実現しよう”と言ったと。利用されたんですから総理が。それなのに平然としている。総理自らをかばうものであるということをご存じだから、平然としてるんじゃないですか」(共産党 小池晃書記局長)

 「私は常に平然としております。私にはコメントのしようがない」(安倍首相)

 安倍総理はこのように述べる一方で、加計学園の獣医学部新設が認められたことについて、「私が加計理事長と会ったか会わなかったかは全く関わりがない」と強調しました。

 「審議の中で真相はさらにやぶの中に入っていった。中村愛媛県知事と加計孝太郎理事長の証人喚問は不可避だ」(立憲民主党 福山哲郎幹事長)

 野党側は、愛媛県の中村知事や加計理事長の国会招致を求めていますが、与党側は応じる構えを見せません。

 「 総理はこれ『膿は出し切る』とおっしゃっていましたが、もう“膿は出し切られた”と思いますか」(国民民主党 今井雅人衆院議員)

 「まだ国民の皆様は、そうはお考えになっておられないだろうと」(安倍首相)

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3380716.html