森友学園、加計学園を巡って新たな問題が次々に明らかになる中、28日開かれた参院予算委員会の集中審議。野党側は安倍晋三首相や妻昭恵氏の「関与」を示す文書を示して重ねて追及したが、首相は「私や妻が関わっていないことは明らか」とこれまで通りの答弁を繰り返すばかり。ただ、一部の質問やヤジにはむきになって反論する場面もあった。【杉本修作、飯田憲、蒔田備憲】

 「3000ページの資料を読んでいただければ、関与がないことは分かってもらえる」。学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省はこれまで「破棄した」と繰り返し答弁してきた交渉記録などを23日に国会に提出している。国民民主党の増子輝彦氏が、記録に名前が出てくる昭恵氏の関与を追及すると、安倍首相は記録を読むよう反論。野党側から「読んでるよ」とヤジが飛ぶと、首相は「みんな(全員が)読むわけない」と声を張り上げ言い返した。

 交渉記録には、昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が2015年11月、財務省に国有地取引について問い合わせたメモもあった。ただ、こうした記録について問われた安倍首相は「これまでも答弁しているが、制度上の質問をして、(学園に)答えただけ」と素っ気なく語った。

 だが、議場内では何度もヤジが起きる。「雑音は出さないようにしてくださいよ」「私の発言を妨害している」。安倍首相は気色ばんで度々、委員長に対応を求めた。

 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る質疑でも、首相が質問者にいら立つ場面があった。立憲民主党の福山哲郎氏が「総理の関与は明らか」とただすと、安倍首相は「委員(福山氏)が作られたストーリー」と皮肉混じりに反論。議場が騒然となって野党議員が委員長席に詰め寄り、審議が一時ストップした。

 この問題を巡っては、学園の加計孝太郎理事長と安倍首相が15年2月に面会したと記載した愛媛県の新文書が明らかになっている。ただ、文書について、26日に学園が「実際にはなかった面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えた」とのコメントを発表した。

 安倍首相は質疑でコメントに触れ、「学園が『誤った情報』と謝罪している」と切り返した。野党側は追及を強めたが、文書が学園関係者から県や同県今治市への報告として記録されている点をとらえて「伝聞の伝聞に過ぎない」と記載に疑問を投げかけ、「加計氏と獣医学部について話したことはない」と強調した。

毎日新聞
5/28(月) 11:42配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180528-00000026-mai-pol