北朝鮮との国交断絶を評価 首相、ヨルダン国王と会談

ヨルダン訪問中の安倍晋三首相は1日昼(日本時間同日夜)、首都アンマンのフセイニーヤ宮殿でアブドラ国王と会談した。首相はヨルダンが1月に北朝鮮との国交断絶に踏み切ったことを評価し、両首脳は北朝鮮が「完全な非核化」を実現するまで最大限の圧力を維持する方針を確認した。

首相は南北首脳会談など最新の北朝鮮情勢を伝えたうえで、「中東が抜け穴になってはいけない」として圧力維持を呼びかけた。国王は「日本の立場を支持する」と応じた。

 首相は、ヨルダンが約130万人のシリア難民を受け入れていることにも言及し、「ヨルダンの安定は地域の安定に不可欠。ヨルダンの社会的、経済的安定を確保し、発展を後押しするため、引き続き可能な限りの支援を行っていきたい」とした。国王は「シリア難民を受け入れる地域への支援は、社会の強靱(きょうじん)性を確保する上でも死活的に重要だ」と謝意を表明した。両首脳は、中東和平の実現に向けて、イスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」をめざすことを確認した。

 首相はこれに先立ち、ヨルダンのムルキ首相とも会談。ヨルダンのシリア難民受け入れ地域での廃棄物処理機材の整備計画に約16億円の無償資金協力を行うことを伝えた。(アンマン=高橋福子)

朝日新聞
2018年5月1日21時09分
https://www.asahi.com/articles/ASL5151ZFL51UTFK00N.html