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 前文部科学事務次官の前川喜平さんと、元文科省官僚で京都造形芸術大学教授の寺脇研さんによるディスカッションが27日、和歌山市の県民文化会館であり、加計学園問題やセクハラ疑惑、道徳教科化などについて話し合った。前川さんは、加計学園問題について「国政の私物化の実態はほぼ全て明らかになった」と批判した。

 若手の弁護士や裁判官、法律研究者らでつくる青年法律家協会和歌山支部が「憲法と教育の危機」をテーマに主催。前川さんと寺脇さんが講演し、和歌山大学の堀内秀雄名誉教授の司会でディスカッションした。約1500人が聴いた。

 前川さんは、獣医学部新設が学校法人加計学園に認められた経緯について「実質審査することなく競争相手を排除した。その過程も非常に不透明。首相と常々一緒にいる首相秘書官(当時)が『首相案件』と言ったということは、直接首相から秘書官が言われたとしか考えられない」と指摘。「私は当時、一部しか関わっていなかったが、いろいろな情報が出てきて、ほぼ全貌が分かってきた」と述べた。

 寺脇さんは、福田淳一前財務事務次官のセクハラ疑惑を取り上げ「麻生太郎財務大臣の『福田の人権はないのか』という発言にあきれかえった。人権はもちろんあるが、公務員の場合は制限される。女性記者と対等で同じ人権があると、そんなばかなことを言う大臣がいるのはおかしい」と批判。森友問題や加計問題も含め「公務員のトップがやってもみ消そうとしていることは絶対問題であることを受け止めてほしい」とした。