学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が今治市に開学した岡山理科大獣医学部について、吉川泰弘学部長らが24日、県議会の地方創生・産業基盤強化特別委員会に参考人として出席し、学校施設や今後の取り組みなどを説明した。委員が参考人の今治市幹部に、首相官邸訪問時のことを問おうとした場面もあったが、質問は認められなかった。

 獣医学部を巡っては、設置認可前の2015年4月に県や今治市の職員、加計学園幹部が首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会し、柳瀬氏から「首相案件」との発言があったと記された県の「備忘録」などの存在が確認されている。

これに関連し、委員が「首相官邸に呼ばれたのか、アポをとったのか」などと説明を求める場面があったが、副委員長は「議題と関係ないのでお答えしていただく必要はありません」と述べた。

 特別委後、吉川学部長は報道陣の取材に「(15年4月に首相官邸に行ったかどうか)記憶にない。(獣医学部新設の経緯については)正当な手続きだと思っている」と述べた。

 また、特別委で吉川学部長は入試結果に触れ、「最大20人程度」としていた「四国入学枠」が4人にとどまったことについて、「認可が遅れてシステムを宣伝することができなかった」とした。【花澤葵】

毎日新聞
2018年4月25日地方版
https://mainichi.jp/articles/20180425/ddl/k38/040/527000c