https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180421-00000018-sasahi-soci

「おまえは国民の敵だ!」

 防衛省の統合幕僚監部に勤務する30代の3等空佐が、野党議員に対して浴びせた罵声が物議を醸している。

 4月16日午後8時40分頃、民進党の小西洋之参院議員は東京・永田町の参院議員会館を徒歩で出たところで、ジョギング中の3等空佐の男性と遭遇した。

 小西氏がこう語る。

「歩道上で出くわしたところで、ぱっと視線を向けられたので、私は目礼しました。その男性は走りながら、何度も私のほうを振り返ったので、そのたびに目礼しました。国会図書館前の交差点で立ち止まると『小西か?』と声を掛けられました」

 以下、小西氏の記憶をもとに事の経緯を詳述する。

「はい、小西です」と答えると、いきなり「おまえ、ちゃんと仕事しろ!」などと絡んできたというのだ。

「一般の方からもよく路上で声を掛けられ、励ましだけでなくご批判の言葉を頂くことがあります。ご批判の時は、私はいつも『信念に基づいて、国会議員として仕事をさせて頂いております。集団的自衛権の解釈変更について憲法違反であることを証明してきました』などとお伝えするようにしてきました」

 この時も小西氏はそう答えると、男性は「俺は自衛官なんだよ。おまえは国民の敵だ!」と言い放ったという。

「あなた、自衛隊員なんですか?」

 小西氏は驚きながらも話を続けた。

「憲法違反の戦争で、あなたがた自衛隊員が戦地に送られるのを阻止するために、政治生命を掛けて闘っています」

 それでも男性は威圧的な態度で「おまえ、気持ち悪いんだよ」「国民の敵だ」「国会議員に意見して何が悪い?」などと罵り続けてきた。

 3佐の発言は、自衛隊員の品位の保持や、選挙権の公使を除く政治的行為の制限などを定めた自衛隊法に違反する可能性がある。

 小西氏は「自衛隊の服務規程や法令に違反する発言ではないか」と発言の撤回を求めたが、それでも男性は発言をやめなかったという。

「発言を撤回すれば許すことも考えるが、撤回しないのなら防衛省の人事当局に通報せざるを得ない。あなたは処分を受けることになりますよ」

 小西氏は男性にそう告げたが、撤回を拒否されたため、その場から豊田硬防衛事務次官に電話して「自衛官を名乗る者から国民の敵だ、などと罵られている」と伝えた。折り返し、同省の武田博史・人事教育局長から慌てた様子で電話が入る。
 男性は180センチほどの大柄な体格で、小西氏は対峙するためにも、近くで警備中の警察官を呼び寄せた。加勢の警察官も掛けつけ、所轄の麹町署からも警備課長が到着すると、ようやく男性は態度を変え始め、発言を撤回することになった。しかし、その言葉が「勉強になりました」であったため、周りの警察官たちからも失笑が漏れた。最終的には「すみません」との謝罪の言葉を口にして、その場を立ち去ったという。この間のやり取りは、およそ30分間近くに及んだ。小西氏が続ける。

「警察官は男性の名前だけ聞いて、所属を聞いていませんでした。私は当初、末端の若い自衛隊員だと思ったので不問にするつもりでした。武田人事教育局長から当日の深夜のうちに、事件があった以上は、防衛省として人物特定の調査を行うとも聞いていた。ところが、翌朝になって麹町署から統合幕僚監部の職員であることを知らされました。自衛隊を統率する部署であり、まさに南スーダン・イラク日報の隠蔽問題が問われています。このため、国民に対する責任から国会で取り上げることにしたのです」

 そして、午後には人事教育局長から、「3佐」であることも知らされた。

「昔であれば、大本営の青年将校です。夕方に謝罪に来た河野克俊統合幕僚長に対しても、昨年の安倍総理の自衛隊明記の改憲発言について、幕僚長が『大変、有り難いこと』と違法な政治発言を行ったことも原因の一つだと指摘し、直属の部下の幹部自衛官の暴言の責任を取って、即刻辞職すべきと言い渡しました。戦前、青年将校たちが政治家に対して『国民の敵だ』と叫んでクーデター事件を起こした。だからこそ、どうあってもシビリアンコントロールを徹底させることが重要なのです」(小西氏)

 この3佐は2005年に防衛大学校を卒業し、航空自衛隊を経て、現在は統合幕僚監部指揮通信システム部に所属する幹部自衛官だ。

(略)

参考
【自衛隊差別発言】民主・小西洋之「自衛隊員は恐怖の使徒になる」投稿に元自衛官・佐藤議員が激怒
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/seijinewsplus/1524022499/